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マンションの寿命は何年?耐用年数の誤解と住み続けられる年数、住宅ローンへの影響まで解説

大規模修繕の豆知識 2026.02.06 (Fri) 更新

マンションを購入・所有するうえで、「この建物にはどれくらいの期間住み続けられるのか」「将来的に老朽化は問題にならないのか」と、不安を感じる方は少なくありません。特に中古マンションを検討している場合や、すでに築年数が経過している物件に住んでいる場合は、建物の寿命について考える機会が増えてくるものです。

こうした不安の背景には、耐用年数という言葉のイメージや、「年数が経つと住めなくなるのではないか」「古くなると住宅ローンに影響が出るのではないか」といった誤解も関係しています。実際には、建物の寿命の考え方はひとつではなく、築年数だけで判断できるものでもありません。

この記事では、マンションがどの程度の期間使われることを想定して建てられているのかを整理しながら、耐用年数の意味、実際に住み続けられる年数の目安、年数を重ねた後に起こりやすい変化、住宅ローンとの関係までを分かりやすく解説します。将来を見据えて判断するための基礎知識として、ぜひ参考にしてください。

 

1. マンションの「寿命」とは何を指すのか

マンションの寿命について考えるとき、多くの人が「築何年まで住めるのか」「古くなったら危険ではないのか」といった不安を抱きがちです。しかし、マンションの寿命は単純に年数だけで決まるものではなく、どの視点で寿命を捉えるかによって意味合いが大きく変わります

特に、「耐用年数」という言葉が独り歩きし、耐用年数=住めなくなる期限だと誤解されるケースも少なくありません。実際には、マンションの寿命は法律・構造・社会的要因など、複数の側面から判断されるものです。まずは、それぞれの考え方を整理することが、正しく理解する第一歩となります。

1-1. マンションの寿命には3つの考え方がある

マンションの寿命は、主に次の3つの視点から語られます。それぞれ役割や意味が異なるため、混同しないことが重要です。

  • 法定耐用年数
    法定耐用年数とは、税務上、建物の価値をどの程度の期間で減価償却するかを定めた基準です。鉄筋コンクリート造のマンションの場合、原則として47年とされています。
    この年数は、あくまで会計・税務処理のための指標であり、建物の安全性や居住可能期間を直接示すものではありません。

  • 物理的寿命
    建物そのものが構造的に安全性を保てる期間を指します。コンクリートの劣化状況や鉄筋の腐食、構造体の健全性などが関係し、施工品質や環境条件、維持管理の状態によって大きく左右されます。
    適切な設計と施工が行われ、定期的な補修が続けられていれば、法定耐用年数を大きく超えて使用できる可能性もあります。

  • 実際に住み続けられる年数(社会的寿命)
    居住者が現実的に住み続けられるかどうかという観点での寿命です。建物の老朽化だけでなく、設備の古さ、間取りの時代遅れ感、管理状況、立地の変化なども影響します。
    この社会的寿命は数値で明確に示しにくく、マンションごとの差が最も出やすい要素でもあります。

一般的に話題になる「マンションの寿命」は、これら3つの要素が混ざった状態で語られていることが多く、誤解が生じやすい点だと言えます。

 

1-2. 法定耐用年数と住めなくなる時期は別の話

マンションの寿命を考えるうえで、最も誤解されやすいのが法定耐用年数を過ぎると住めなくなるという認識です。実際には、法定耐用年数は居住の可否とは直接関係がありません。
法定耐用年数は、あくまで税務上の資産評価を目的とした基準であり、年数を超えたからといって、建物が突然使えなくなったり、法律上居住できなくなったりすることはありません。現実には、築50年、60年を超えても居住が続いているマンションは多数存在します。
一方で、築年数が比較的浅くても、管理不全や修繕不足によって劣化が進み、快適な居住が難しくなるケースもあります。このことからも分かるように、マンションの寿命は「築年数」だけで判断するのではなく、管理や修繕の積み重ねによって大きく左右されるものです。
マンションの寿命を正しく理解するためには、耐用年数という数字にとらわれすぎず、建物の状態や管理体制を含めて総合的に判断する視点が欠かせません。

2. マンションは何年住める?平均寿命の目安

マンションの寿命を考える際、多くの人が気にするのが「実際にどのくらいの年数、住み続けられるのか」という点です。築年数や耐用年数の数字だけを見ると不安になりがちですが、現実にはそれ以上に幅のある見方が必要になります。ここでは、一般的な目安と、その背景にある考え方を整理します。

2-1. 日本のマンションの平均寿命はどのくらいか

日本のマンションについては、さまざまな調査や統計をもとに「おおよそ60〜70年程度」という見方が多く示されています。この年数は、「多くのマンションが建て替えや大規模な用途変更を検討する時期」として語られることが多く、必ずしもその年数で住めなくなることを意味するものではありません。

実際には、築60年を超えても現役で使われているマンションは存在しており、逆にそれより早い段階で建て替えが検討されるケースもあります。この違いを生む要因は、建物の構造だけでなく、管理状況や立地条件、住民の合意形成など、複数の要素が重なった結果です。

つまり、平均寿命という数字はあくまで参考値であり、「その年数を超えたら危険」「必ず使えなくなる」といった判断基準として使うものではありません。

2-2. 鉄筋コンクリート造マンションの耐久性

多くの分譲マンションは、鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)で建てられています。これらの構造は、木造住宅に比べて耐久性が高く、適切な維持管理が行われていれば長期間使用できることが特徴です。

コンクリート自体は非常に耐久性の高い素材ですが、ひび割れや中性化、鉄筋の腐食といった劣化は時間とともに進行します。そのため、定期的な点検や補修、防水工事などを適切なタイミングで行うことが、寿命を大きく左右します。

適切な修繕が続けられているマンションでは、法定耐用年数を超えても構造的な安全性を保ちながら使用されるケースが多く見られます。一方で、修繕が後回しにされている場合は、想定より早く問題が表面化することもあります。

2-3. 「何年住めるか」はマンションごとに大きく異なる

マンションが何年住めるかという問いに、明確な年数で答えることは難しいのが実情です。築年数が同じであっても、立地条件や施工時の品質、管理組合の運営状況によって、建物の状態には大きな差が生まれます。

例えば、長期修繕計画がしっかりと策定され、計画通りに大規模修繕が行われているマンションと、修繕積立金が不足しがちなマンションとでは、将来的な安心感は大きく異なります。また、住民同士の合意形成が円滑に進むかどうかも、長く住み続けられるかを左右する重要な要素です。

このように、「何年住めるか」は一律の数字で判断するのではなく、建物の状態と管理体制を踏まえて個別に見極める必要があるという点を押さえておくことが大切です。

 

3. マンションの寿命を左右する主な要因

マンションの寿命は、築年数や構造だけで一律に決まるものではありません。同じ年代に建てられたマンションであっても、将来的な状態や評価に大きな差が生じることがあります。その差を生むのが、建物そのものだけでなく、環境や管理体制といった複数の要因です。ここでは、マンションの寿命に特に影響しやすいポイントを整理します。

 

3-1. 建物の構造や施工時の品質

マンションの寿命に大きく関わるのが、建物の構造と施工時の品質です。一般的な分譲マンションは鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造で建てられており、理論上は高い耐久性を持っています。

しかし、設計や施工の精度が低い場合、想定よりも早く劣化が進むことがあります。例えば、コンクリートの品質管理が不十分だったり、鉄筋の配置やかぶり厚さが適切でなかったりすると、ひび割れや中性化が早期に発生しやすくなります。また、建設当時の建築基準や技術水準も、長期的な耐久性に影響を与える要素です。

このように、マンションの寿命を考える際は、構造の種類だけでなく、「どのような品質で建てられたか」という点にも目を向ける必要があります。

3-2. 立地や周辺環境の影響

マンションが建っている場所や周辺環境も、寿命に大きく影響します。環境条件は短期間では差が出にくいものの、長年の積み重ねによって建物の劣化スピードに違いを生みます。

特に影響を受けやすい要素としては、次のような点が挙げられます。

  • 海沿いなど、塩害の影響を受けやすい地域

  • 交通量が多く、振動や排気ガスの影響を受けやすい立地

  • 湿気がこもりやすく、結露やカビが発生しやすい環境

これらの条件が重なると、外壁や鉄部の劣化が進みやすく、修繕の頻度やコストにも影響が出る可能性があります。

3-3. 管理状態と修繕の積み重ね

マンションの寿命を大きく左右する要因として、管理状態と修繕の積み重ねは欠かせません。定期的な点検や計画的な修繕が行われているマンションは、築年数が経過しても良好な状態を保ちやすくなります。

特に重要なのは、外壁や屋上防水、給排水管といった共用部分のメンテナンスです。これらは日常生活では見えにくい部分ですが、不具合が進行すると居住環境や安全性に大きな影響を及ぼします。修繕が後回しにされると、小さな劣化が連鎖的に広がり、結果として寿命を縮めてしまうことにもなりかねません。

3-4. 管理組合の運営と修繕積立金

マンションの寿命は、建物だけでなく、人の関わり方にも左右されます。その中心となるのが管理組合の運営状況です。長期修繕計画が適切に策定されているか、計画通りに修繕積立金が確保されているかは、将来の維持管理に直結します。

修繕積立金が不足している場合、必要な工事を先送りせざるを得ず、結果的に建物の劣化を招くことがあります。また、住民間の合意形成が難しく、修繕の決定が遅れるケースも珍しくありません。こうした運営上の問題が積み重なることで、マンション本来の寿命よりも早く限界を迎えてしまう可能性もあります。

4. 法定耐用年数が過ぎたマンションはどうなる?

マンションの寿命を調べる中で、多くの人が不安に感じるのが「法定耐用年数を過ぎたらどうなるのか」という点です。特に「耐用年数を超えたら住めなくなるのではないか」「資産価値が一気に下がるのではないか」といったイメージを持たれがちですが、実際の状況はもう少し現実的で段階的なものです。

4-1. 耐用年数が過ぎても住み続けることはできる

まず押さえておきたいのは、法定耐用年数が過ぎても、マンションに住み続けること自体は可能という点です。法定耐用年数は税務上の基準であり、建物の安全性や居住の可否を直接制限するものではありません。

そのため、耐用年数を超えたからといって、法律上住めなくなったり、強制的に退去を求められたりすることはありません。実際には、築50年や60年を超えても、日常的に利用されているマンションは数多く存在します。

重要なのは年数そのものではなく、建物の状態や管理・修繕が適切に行われているかどうかです。耐用年数を過ぎていても、管理状態が良好であれば、居住に大きな支障が出ないケースも珍しくありません。

4-2. 耐用年数超過後に起こりやすい現実的な変化

一方で、耐用年数を超えたマンションでは、いくつかの現実的な変化が起こりやすくなるのも事実です。これは「住めなくなる」というよりも、条件や選択肢が少しずつ変わっていくイメージに近いでしょう。

例えば、次のような影響が考えられます。

  • 建物や設備の老朽化が進み、修繕や更新の頻度が高まる

  • 修繕積立金や管理費の負担が増える可能性がある

  • 資産価値が下がりやすく、売却時に価格面で不利になりやすい

  • 買い手や借り手の選択肢が限られることがある

これらはすべてのマンションに一律で当てはまるものではありませんが、築年数が進むにつれて検討すべき要素が増えていく点は共通しています。

耐用年数を過ぎたマンションを所有・検討する際は、「今すぐ住めるかどうか」だけでなく、将来的な維持費や出口戦略(売却・住み替え)まで含めて考えることが重要になります。

5. マンションの寿命と住宅ローンの関係

マンションの築年数や耐用年数を意識する場面で、特に気になるのが住宅ローンへの影響です。実際、住宅ローンの審査では建物の状態や将来性も判断材料となるため、年数が経過したマンションほど注意すべき点が増えてきます。ここでは、住宅ローンとマンションの寿命の関係を整理します。

5-1. 耐用年数と住宅ローン審査の関係

住宅ローンの審査では、金融機関が「返済期間中に担保価値が大きく損なわれないか」という点を重視します。その判断材料のひとつが、建物の耐用年数です。
ここで言う耐用年数は、税務上の法定耐用年数と必ずしも同一ではありませんが、築年数が進むほど、融資期間の設定に影響が出やすくなる傾向があります。

金融機関によって基準は異なるものの、建物の残りの耐用年数や管理状態を踏まえ、ローンの返済期間を制限するケースがあります。その結果、希望していた年数よりも短い期間での借り入れを求められることがあります。

5-2. 築年数が古いマンションはローンが組みにくくなる?

築年数が古いマンションでも、住宅ローンを組めないわけではありません。ただし、新築や築浅物件に比べると、条件面で差が出やすくなります。

例えば、次のような点で影響が出ることがあります。

  • ローンの借入期間が短く設定される

  • 借入額が抑えられる

  • 金利条件がやや厳しくなる

これらは一律のルールではありませんが、築年数が進むにつれて、金融機関が慎重な判断を行う傾向が強まるのは事実です。そのため、自己資金の準備や返済計画の見直しが必要になるケースもあります。

5-3. 耐用年数を超えたマンションでローンを組む際の注意点

耐用年数を超えたマンションで住宅ローンを検討する場合は、建物の年数だけでなく、管理や修繕の状況を含めて総合的に見られることを意識する必要があります。長期修繕計画が整っているか、過去に大規模修繕が適切に行われているかといった点は、評価に影響する要素です。

また、金融機関によって審査基準が異なるため、ひとつの銀行で難しかった場合でも、別の金融機関では融資が可能になることもあります。年数だけを理由に判断せず、複数の選択肢を比較しながら進めることが大切です。

マンションの寿命と住宅ローンは切り離せない関係にあるため、購入や住み替えを考える際は、将来の返済計画と建物の状態をあわせて検討する視点が欠かせません。

6. マンションの寿命を見極めるチェックポイント

マンションがどれくらいの期間、安心して使い続けられるかを判断するには、築年数や耐用年数だけを見るのでは不十分です。実際には、建物の状態や管理体制を具体的に確認することで、将来の見通しをある程度把握することができます。ここでは、寿命を見極めるうえで押さえておきたいポイントを整理します。

6-1. 長期修繕計画の有無と内容

マンションの将来を判断するうえで、まず確認したいのが長期修繕計画の有無です。長期修繕計画とは、今後数十年にわたってどの時期にどのような修繕を行うかをまとめた計画で、マンションの維持管理の指針となるものです。

計画が作成されているだけでなく、内容が現実的かどうかも重要です。修繕の時期が極端に先送りされていないか、想定されている工事内容が建物の規模や築年数に見合っているかなどを確認することで、管理の姿勢が見えてきます。

6-2. 過去の大規模修繕の実施状況

これまでにどのような大規模修繕が行われてきたかも、寿命を見極める重要な判断材料です。外壁の補修や屋上防水、給排水管の更新など、必要な工事が適切なタイミングで実施されているマンションは、劣化の進行を抑えやすくなります。

反対に、本来行われるべき修繕が見送られてきた場合、目に見えない部分で劣化が進んでいる可能性もあります。修繕履歴を確認することで、これまでの管理の積み重ねを客観的に把握することができます。

6-3. 管理費・修繕積立金の健全性

管理費や修繕積立金の状況も、マンションの寿命に直結します。積立金が不足している場合、将来的に大きな修繕が必要になった際、住民の負担が急増したり、工事そのものが実施できなくなったりするリスクがあります。

現在の積立額だけでなく、将来の修繕計画に対して十分な水準かどうかを確認することが大切です。また、長期間にわたって滞納が多い場合は、管理体制に課題がある可能性も考えられます。

マンションの寿命を見極めるには、こうした点を総合的に確認し、数字や書類から読み取れる情報を冷静に判断する視点が欠かせません。

 

7. マンションをできるだけ長く使うためにできること

マンションの寿命は、建物が完成した時点で決まるものではありません。実際には、日々の管理や修繕の積み重ねによって、将来の状態は大きく変わります。ここでは、マンションをできるだけ長く、安心して使い続けるために意識しておきたい考え方を整理します。

7-1. 計画的な修繕と日常管理を継続する

マンションを長持ちさせるうえで最も重要なのは、計画的な修繕と日常的な管理を継続することです。外壁や屋上防水、給排水管などの共用部分は、目に見える不具合が出てから対応するのではなく、劣化が進む前に補修を行うことが理想的です。

日常清掃や定期点検がきちんと行われているマンションでは、小さな異常に早く気づくことができ、結果として大規模なトラブルを防ぎやすくなります。こうした積み重ねが、建物全体の寿命を延ばすことにつながります。

7-2. 管理組合と住民の意識が寿命を左右する

マンションは個人の持ち物でありながら、共用部分は住民全体で管理するという特性を持っています。そのため、管理組合の運営状況や住民の意識が、建物の将来に大きく影響します。

修繕計画の見直しや積立金の増額といった判断は、短期的には負担に感じられることもありますが、先送りすることで将来的なリスクが高まるケースも少なくありません。住民同士が情報を共有し、長期的な視点で合意形成を図れるかどうかが、マンションを長く使い続けられるかの分かれ目になります。

マンションの寿命を延ばすためには、建物そのものだけでなく、人の関わり方や意思決定の積み重ねが重要であるという点を意識しておくことが大切です。

8. よくある質問(FAQ)

8-1. マンションの耐用年数が過ぎたら住めなくなりますか?

いいえ、耐用年数が過ぎたからといって、住めなくなるわけではありません。
法定耐用年数は税務上の基準であり、居住の可否や安全性を直接示すものではありません。建物の状態や管理・修繕が適切に行われていれば、耐用年数を超えても住み続けることは可能です。

8-2. 築50年・60年のマンションは危険なのでしょうか?

築年数が古いこと自体が、直ちに危険を意味するわけではありません。
重要なのは、これまでの修繕履歴や現在の建物状態です。定期的に大規模修繕が行われ、管理体制が整っているマンションであれば、築年数が進んでいても安全性が保たれているケースはあります。

8-3. 耐用年数を超えたマンションでも売却できますか?

売却は可能です。ただし、築年数が進んでいる分、価格面では不利になりやすい傾向があります。
一方で、立地条件が良いマンションや、管理状態が評価されている物件では、一定の需要が見込めることもあります。売却を検討する際は、年数だけでなく物件全体の評価が重要になります。

8-4. 古いマンションでも住宅ローンは組めますか?

築年数が古くても、住宅ローンを組めるケースはあります。
ただし、金融機関によっては借入期間が短くなったり、融資額が制限されたりすることがあります。建物の年数に加えて、管理状況や修繕計画が審査に影響するため、複数の金融機関を比較することが大切です。

8-5. マンションは最終的に建て替えになるのでしょうか?

将来的に建て替えが検討される可能性はありますが、必ずしもすべてのマンションが建て替えに進むわけではありません。
建て替えには住民の合意形成や多額の費用が必要となるため、現実的には修繕を重ねながら使い続ける選択が取られるケースも多く見られます。

9. まとめ

マンションの寿命は、「築何年か」「耐用年数を超えているか」といった数字だけで判断できるものではありません。法定耐用年数はあくまで税務上の基準であり、実際に住み続けられるかどうかは、建物の状態や管理・修繕の積み重ねによって大きく左右されます。

築年数が進んだマンションであっても、適切な管理と計画的な修繕が行われていれば、長期間にわたって利用されている例は少なくありません。一方で、修繕が先送りされ、管理体制に課題を抱えている場合は、想定より早く問題が表面化する可能性もあります。

また、築年数や耐用年数は住宅ローンにも影響しますが、「年数が古い=ローンが組めない」と一概に決めつける必要はありません。金融機関の判断基準はさまざまであり、建物の管理状況や将来性を含めて評価されるケースもあります。

マンションの寿命を考える際は、

  • 年数だけにとらわれないこと

  • 管理や修繕の実態を確認すること

  • 将来の維持費や売却・住み替えまで含めて考えること

これらを意識することで、より現実的で後悔の少ない判断につながります。
マンションと長く付き合っていくためにも、表面的な数字ではなく、建物の中身と運営状況を見極める視点を持つことが大切です。